長崎造船所 最古の建造物 旧木型場(きゅうきがたば)

三菱長崎造船所で一際、目を引くのが敷地内の一角にある「旧木型場」。

現在は史料館として使われています。

「木型場」とは溶かした金属を流し込む鋳型(いがた)を作るための木型を製作する工場のことで、なくてはならないものでした。

1893(明治26)年、岩崎弥太郎の息子、久弥が三代目の社長に就任し、近代的な大型船の建造に対応するため積極的な設備投資を行います。

4年後の1897(明治30)年には造船所内に飽ノ浦中央発電所が、その翌年には長崎造船所で最初に電気を動力とした工場として鋳物工場併設の「木型場」が稼動しました。

長崎造船所は静養の先進的な技術や機械を導入してきましたが、木型の製造は伝統的な日本の大工や職人の技術もあり、いち早く習熟された部門でもあります。

当時、他の製造部門の工場長のほとんどが外国人技術者が占めるなか、日本人が最初に工場長を務めた部門でした。

「旧木型場」は金属部品の機械加工技術の向上に伴い、その役目を終え、1985(昭和60)年、史料館として生まれ変わりました。

<詳細>
URL:http://www.mhi.co.jp/company/facilities/history/

※「ながさきたより」平成26年12月分より抜粋

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