ネコと長崎

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長崎はネコの多い街として全国で知られています。
それは長崎の名所には必ず、人馴れしたネコがいるからでしょう。
名所じゃない場所であってもそこら辺に当たり前のようにいるのです。
長崎の風景の中にネコがいないと何とも味気ないように思うのは地元人だけでしょうか?
しかし、ここ最近、そんな長崎にちょっとした変化が見られます。
ネコの匂いや植木・畑等に糞尿をする等の苦情が殺到しているというのです。
確かにネコは犬と違って自由気ままな生き物ですから、寝るも食べるも出すもそこら辺でし、被害は広範囲になるのは必然です。
ネコは現代社会にとって不要な生き物でしかないという人さえいるのが現状です。
しかし、その昔、ネコは人間にとって犬よりも忠実な生き物ともてはやされた時代があります。

飼い猫の始まりはエジプト人の手によって行われました。
野生猫を餌付けし、一緒に生活し、猫と人間の関係は非常に友好的な関係でになっていったようです。
その結果、飼い主の敵であるネズミは猫達自身の敵にもなっていきました。
また、蛇や他の動物による疫病を駆逐するためにも彼らは役にたつことができました。
紀元前2100年頃までには飼い猫は、釣り、狩り、ネズミ捕りとして広く用いられ、エジプト美術に頻繁に登場するようにもなりました。
紀元前1070~750年頃になると、エジプトは平和と繁栄の時代になり、飼い猫はそれまでと同様、大切にされていました。
身分に関係なく多くの人々に愛され、かつてはライオンが担っていた役割(寺の守りや神聖な神)へとなっていくのです。
さらに母性の象徴と言われたバステット神は猫の頭部を持つ人間の形をしています。

インカより前の先住民達にとっても神聖な神だったようです。
考古学者が発見した陶磁器の絵にも戦士や音楽家や魔術師などを従えている猫の頭部が描かれていました。
1750年頃には、黒ネズミによる疫病を駆逐するために、猫が人肌脱いだとも言われています。

日本は世界に誇るシルクの生産国だったのですが、その生産元の蚕にとってネズミは天敵でした。
そこで、シルクをネズミから守るため、どうしても猫が必要だったのです。
しかし、日本人は非常に猫をかわいがっていたので、ネズミ退治に猫を使うにあたって、日本人のとった行動は奇妙なものでした。
ブロンズ製、木製、陶製の猫を家の入り口に置いてみたりと・・・。
ネズミにとってそれらの置き物は野生の匂いも爪も恐怖も感じられない、所詮置き物でしかなく、蚕を食べまわっていました。
年々ネズミの猛威はひどくなり、13世紀頃までには、猫は神聖な生き物から用をなさない、冷酷な、利己的な悪魔のような存在になっていったようです。

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またネコ達が我々にとって大事な友達になる日が来るのでしょうか?
それはきっと我々の考え方一つなのかもしれません。

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