祖母②

彼岸と直接関係はありませんが、祖母関係の話をまた一つ。

今から8年ほど前の冬のこと。
祖母の妹、私からすると大叔母にあたる人が、86歳で亡くなりました。
お通夜・葬式は大叔母の自宅で行うことなり、そのお通夜で起こった出来事。

2部屋の和室(6畳)をぶち抜き、祭壇と弔問席を用意したのですが、かなり手狭で、参列者はすし詰め状態。
それが大事件の引き金になるとは誰も予想しませんでした。
いつもこういう時は叔母達が祖母の傍らにいて、何かとサポートするのですが、その日に限って、祖母と叔母達が離れて座ってしまい、祖母の隣には行けないほどの状態で、結果、祖母の隣は大叔父(祖母と大叔母の末弟)、逆隣は壁という構図になってしまいました。

祖母は元々、弱視で物体の「輪郭」「色」「明るさ」だけしか認識できないため、物を持たせるなどという時は耳元で囁くのが常なのですが、大叔父はそういうサポートをしたことありません。

お通夜は粛々と進み、お坊さんがお経をあげる中、座る参列者にお焼香の箱が回り始めました。
その順番が大叔父まできて、いよいよ祖母の番になりました。

目のあまり見えない祖母に対して、大叔父が最大限、気を使ってくれた結果、お焼香の箱を祖母の前に置き、「つまめ(摘め)」と一言。
祖母は一つ頷いて、お焼香を三本の指で摘み、そのまま口へ・・・。
その瞬間、一番下の叔母が「おっとっとっと!」と叫びながら転がるようにして祖母のところへダイブ!
しかし、時すでに遅し!
口の中へ入った後でした。
どうやら祖母は「つまめ(摘め)」という大叔父の言葉を、「つまめ(食べろ)」と認識したようです。
その後、叔母達に口に入ったお焼香をかき出されていました。

お坊さん苦笑い、参列者の方々は大笑い、身内はドン引きしてました。

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